花たちの戦い～宮廷残酷史～

第16代王仁祖の宮廷闘争を後宮の女性の視点から描いたものです。主人公の貴人・趙氏（2男1女をもうけるがのちに廃される）を中心にとにかく女性たちがギャーギャー騒ぎまくっているドラマ、という印象がありますね。しかも、美人さんたちが派手な衣装でギャーギャーやっているので、かなりの迫力があります。王妃とか、世子嬪とか、後宮の人たちなんだから、激高したとしても、もうちょっと品よく怒るのではないかえ？とすら突っ込みたくなるときもありました。

「そこまでやるか？」というような、かなり陰湿な争いで、しかも命の取り合いなので、途中で見るのやめちゃおうかなと思ったりもしたのですが、結局見てしまいました。

女性陣の豪華な衣装は、見どころだと思います。ストーリーそのものは、そこそこ面白いと思いますが、救いのないドラマなので、見終わった時に疲れました。

仁祖の時代というのは、ちょっと歴史的にも説明が面倒くさい時代です。まず、この仁祖という王様自身が、クーデターで王位についた人物です。さらにこの王様の時代に朝鮮は後金（のちの清）に二度の侵攻をうけ（丁卯胡乱 1627年・丙子胡乱 1636年）、仁祖は臣下の礼を取らされます。挙句の果てに、世子まで人質にに差し出すという屈辱を味わう事態に陥りました。これより少し前には、豊臣秀吉の侵攻を受けていますので、朝鮮国内はかなり疲弊していた時代です。さらにその後、昭顕世子の急逝事件と続きます。

そんな混乱期に、さらに宮廷を引っ掻き回したのは「お前か！？」と言いたくなるドラマです。