オクニョ 運命の女

李氏朝鮮の中でも、地味でドラマにはあまり登場せず、登場したとしてもチョイ役で終わる明宗が、物語の主軸にいるというのが、珍しいなと思いながら見ました。イ ビョンフン監督の作品なので一応目を通すかな、と思って見ました。ヒロインが、バリバリの武術の達人というのも、イ ビョンフン監督にしては珍しいなと思いました。もっとも、あんなんで武術の達人になれるなら、剣道や柔道の通信講座ができそうだなと突っ込みながら見ちゃいましたけど。

私の大好きなチョン・グァンニョルさんが、出ているのですが意外とあっけなく去って行ってしまうのが残念。獄中で生まれたオクニョが、実はどういう立場の人なのかを解き明かしていくドラマなのですが、これもあっさりと察しがつきますので、意外性もあんまりなかったですね。それなりに面白いとは思いましたが、イ ビョンフン監督の作品としては、期待するほどじゃなかったな、という気がします。

劇中、主人公のオクニョをとことん狙い続ける「鄭蘭貞」は、朝鮮王朝の三大悪女の一人。その悪女っぷりを見事に演じたのが、パク・チュミさん。

実は、この方「女人天下」というドラマでは、鄭蘭貞の親友で愛に生きた心優しい妓生として描かれました。そのイメージがあったので、とてもやさしい女優さんというイメージがありました。彼女に、人を虫けらのように扱う鄭蘭貞は合わないなあと思っていたのですが、あにはからんや。

徹底的な悪女っぷりの熱演でした。それに加えて、いろんなドラマで大妃役をつとめるキム・ミスクさんも「悪」に迫力がありましたね。