ぞろぞろと、どこに行くにも御付きの内官や護衛、女官が付き従う王様。さて、その一日は実際はどうだったのでしょうか。李氏朝鮮の王様たちの一日を覗いてみましょう。
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ドラマで描かれる王様はわりと自由
ドラマで描かれる王様は、たいていのんびりと王宮を散歩しているとか、大臣たちと政治の話でもめているとか、あるいは後宮とよろしくやっている、と相場が決まっていますよね。ちょっとアクティブな王様だと、お忍びで街に出かけて行って、恋に落ちたり、貧しい人たちの様子に衝撃を受けたりしてます。
それ以外の王様シーンというのは、あんまり代り映えしないものですが、そもそも一体どんな生活をしていたんだろう、というのはやっぱり定番の疑問ですよね。意外に暇そうに見えますが、現実は睡眠時間も十分にないくらい忙しかったようです。
これが一日のスケジュール
早く起きてまずは「朝活」
午前4時~5時 起床
今日のように深夜にまで煌々と明かりがついていたわけではありませんので、お日様の光はやっぱり貴重。明るくなれば起きる、というのはお百姓さんたちと同じだったみたいですね。もうちょっと寝たいと思っても、たたき起こされたんでしょうね。
午前6時頃 朝の挨拶
王室の目上の人に朝の挨拶に行くんだそうです。まずは母親が定番。で、祖母とかが生きてるときはそっちも行かないといけません。「王様が朝のあいつにお見えになりました~♪」なんて感じで、母親とかに挨拶に行くシーンは見かけますね。でも、午前6時ごろやっているようには見えないですが。まさか王様に寝起きの顔を見せるわけじゃないでしょうから、挨拶を受けるほうも、王様と同じ時間には起きてるってことですね。あのだだっ広い王宮、目的地に行くまでも大変そうな気がします。
午前7時頃 朝食
起きてから2時間もしないとご飯にならないなんて、ちょっとかわいそうかも。あるいは軽食とかが出たんでしょうか。
午前8時頃 朝の学習
学校の「朝自習」レベルではなさそうです。朝っぱらから毎日2時間もお勉強するんです。4時や5時に起きてたら、一番頭がすっきりと活動を始めそうですが。でも、眠そうな気もしますよね。
本格的な王様業スタート
午前10時頃 朝会
これは政策会議ですね。午前中の会議ってところでしょう。慣れていればそうでもないのかもしれませんが、午前中のこのころの時間は、お腹もすいてくるし、眠くもなってくる時間ともいえそうですよね。今のサラリーマンとあんまり変わらない気もします。
午前11時頃 午前中の業務
報告を受けたり、お客さんたちに会ったりします。でも、今の国会とか閣議にあたりそうな気もする「朝会」=政策会議は1時間しかやらないのかしら?国民だったらめちゃめちゃ不安になりそう。
正午~午後1時頃 昼食
ランチタイムは、一般的ですね。どんなランチなんでしょうね。「大長今」の時にはけっこういろんなものが並んでいましたけど、あのお膳はちょこっと口をつけておしまいなんですよね。
午後2時頃 昼の学習
これは、相当眠くなりそうかも。
午後3時頃 接見
ドラマでよく見る王様にあーだこーだと詰め寄るのは、こういうときのシーンなのかな。でも、わりと誰でも自由に王様に会いに来ていますよね。
働き方改革が必要です
午後5時頃 宿直者確認
王宮は24時間営業。今日の夜勤の当番って誰?ということはやっぱり王様も知っておかなきゃいけなかったんですね。
午後6時頃 夕方の学習
まだ勉強します。そろそろお腹がすいてきました。国政に携わる時間より勉強している時間の方が長い気がする。
午後7時頃 夕食
ここまで3食ありますが、誰かと一緒に食事をするということはあんまりなかったんでしょうか。ごちそうが並んでいても、それはちょっと寂しい気がしますね。
午後8時頃 夜の挨拶
王室の目上の人に夜の挨拶をします。「おやすみなさい」を言いいにわざわざ出かけるわけですね。雨や雪が降っていたりしたときは、お付きの人たちも「めんどくせぇ~」なんて思ったんでしょうねえ。
午後10時頃 上疏文を読む
これは、よくドラマに描かれるシーンですよね。山のように積み上げられた巻物を一つ一つ開いて、頭抱えたり激怒したりしてます。こんな夜中にやってたんですね。文章読むのは明るいうちにやりなさいよ、と言いたくなってしまいます。働き方改革が必要かも。
午後11時頃 就寝
ようやくお休みです。ということは、王妃や後宮たちはこの時間まで起きて待っていなければいけなかったというわけです。しかも、あのメイクと衣装で。当然のことながら、王様の仕事がはかどらなければ遅くなったでしょうし、「今夜一緒に寝ようね♡」と約束していても、「やっぱ疲れたからやめとく」ということも当然ありそうですよね。電撃訪問も当然あったでしょうから、後宮たちは気が抜けなかったのもわかる気がします。
しかも、この時間に寝て朝4時置きとかって、相当ブラックな感じです。しかも、判断を誤れば、命を狙われる危険もあったわけですし、王妃や後宮との間に子作りも頑張らなくちゃいけない。王様稼業は、楽ではなかったということですね。