李氏朝鮮

明成皇后

 

こんな作品です

突っ込みどころ満載! ある意味面白い

管理人 木槿猫

明成皇后を演じる女優さんは、3人。少女期をムン グニョンさん、壮年期をイ ミヨンさん(この人が一番長い)、晩年をチェ ミョンギルさんが演じています。それぞれに味わいがあります。大物俳優さんたちが脇を固めているので、迫力満点の演技が光ります。

ただ、その迫力を一瞬でぶち壊してギャグにしてしまうのが、「なんちゃって日本文化」と「妙な日本語」。

まず、日本公使館の女スパイである「ミチコ」さん。「公使夫人」という肩書がありながら、なんじゃその着付けは!?というなんちゃって和服。男性陣は比較的まともな着付けだったのですが、この「ミチコ」さん、「女郎役なのか?」というくらい襟を抜いてました。芸者さんのイメージなんでしょうけど、芸者さんはあんなみっともない襟元じゃないぞ~。帯も崩れているし、確かに着物の着付けは面倒だけどもさ、スタッフさんもうちっと勉強しようぜ、と言いたくなりました。これは、日本人は見ていてちょっと不愉快になるかも。

次に、変なところで急に日本語になるところ。韓国ドラマなので、日本人でも韓国語で会話するのは、それはまあ、いいと思います。でも、突然出てくる日本語が、雰囲気をぶち壊します。特に、何度も出てくるのが、「バカヤロウ」。これが、日本人のように「馬鹿野郎!」と滑らかに出てくるならいいんですけどね。「バッキャ、ロウ」に聞こえます。強面のおじさんたちが、みんなで「バッキャ、ロウ」を連呼してるので大笑い。極めつけは、強面のお兄さんたちが「ここで待て!」と威勢よく言うシーンで、「ここで待ってて♡」と言ったときには吹き出してしまいました。また、返事をする際には日本の時代劇では「はっ!閣下」となるようなシーン。みなさん、折り目正しく直列不動の姿勢を取るのはいいのですが、「はいっ、閣下」を連呼すると、小学生かよ、と突っ込みたくなります。

日本人の非道ぶりを描くのは、一向にかまわないんですが、なら、そういう雰囲気を貫いてほしいなあ。

史実のポイント

日本の大陸進出の野望と戦った皇后の壮絶な物語

内容の難易度

朝鮮王朝末期、日本では明治維新の直後の頃。明成皇后は、日本の大陸進出の野望と戦った皇后です。朝鮮を植民地化したい日本人によって、明成皇后は、暗殺されてしまいます。「閔氏暗殺」という名前で教科書などにはでてきます。

ご承知のように、朝鮮は清の属国でした。日本の内政干渉によって清から独立したはいいものの、その独立もつかの間、結局日本に併合されてしまいます(日韓併合)。それを何とか阻止しようとしたのが、明成皇后と大院君です。はじめは対立していた二人ですが、最終的には力をあわせて国難を乗り切ろうとします。でも、時すでに遅し。日清戦争によって清の弱体化が進むと、不凍港が欲しいロシアと、大陸に進出し領土を拡大したい日本との争いに巻き込まれてしまいます。

「日本憎し」で凝り固まっているといえなくもないですが、不思議と嫌味な感じはしませんでした。日本も含めて、幕末や維新直後の歴史って、急に登場する国々が増えるのでなかなか分かりにくかったですが、教科書でならったような事件や人物も出てくるので、歴史の勉強にはなりますよ。

なお、124話と長いですが、この時代を一気にすっ飛ばして描いているのが「朝鮮ガンマン」です。

基本情報

■全124話

■制作KBS

イ・ミヨン/チェ・ミョンギル/ムン・グニョン/ユ・ドングン/イ・ジヌ/チョン・ソンギョン/キム・ヨンリム/キム・ビョンギ/パク・クニョン

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