こんな作品です
仁祖の時代を舞台に、義賊一枝梅の活躍を描いた作品です。あざやかな手口で盗みに入り、そのあとに梅の枝を描いた絵を残す……なんて、誰が考えたんでしょう。とってもカッコよくありませんか?
もともとは、清で作られた小説が朝鮮に輸入されて人気を博したストーリーのようです。「ホン・ギルドン」同様、何度かドラマにもなっています。
このドラマでは、両班の家に生まれながら、政争に巻き込まれて父親は殺され、家族とも散り散りになってしまった少年が、復讐を果たすまでを描きます。が、韓国ドラマお得意の「どろどろ復讐劇」じゃありません。そのへんが、時代劇のいいところ。私たちの時代とはかけ離れているので、「復讐」がテーマでも生々しくないんですよね。
この作品で、イルジメを演じるのは、華麗なアクションとイケメンというより眉目秀麗という言葉が似あうイ ジュンギさん。ワキを「王女の男」のパク シフさんと、「トンイ」のハン ヒョジュさんがかためた豪華キャストのドラマです。ここに出演している子役の子たちは、現在はちょっぴり大人になっているので、そんなところに目を向けても楽しいかもしれません。
またこの作品、役者さんたちも素敵なんですが、音楽がとってもいいんです。このサントラ(もちろん持ってる)を手掛けたのは、吉俣良さん。NHKの大河ドラマ『篤姫』などの作品を手掛けた作曲家です。日本人だからひいきするわけじゃありませんが、数あるドラマのサントラのなかでも、一番にあげたいサントラです。カッコいいけど、メロディーラインがとてもきれいで、本当に「梅の花」がイメージされるような曲です。
史実のポイント
一難去ってまた一難の時代
内容の難易度
仁祖の時代が舞台のドラマですが、もちろん史実ではありません。ただ、仁祖の時代は、社会が混乱しており庶民の生活がとても苦しかったのは事実です。そもそも、仁祖自身が、反正(クーデター)で光海君から王位を奪った王でした。イ ジュンギさん演じる主人公の父親は、このときの混乱で粛清されたので、最後はその復習を遂げることになっています。
仁祖は即位後、まず光海君を支えていた勢力の粛清を断行します。ところが、それから一年もしないうちに、今度は反正に加わった臣下からの反乱にあい、都の漢城を捨てて逃げださなければならないほどに追い詰められてしまいます。そのせいで、辺境守備が手薄となり、ついに二度の後金の侵略(丁卯胡乱 1627年・丙子胡乱 1636年)を受けることになるのです。
一難去ってまた一難、そんな時代だからこそ、義賊のような存在がもてはやされたのかもしれませんね。
基本情報
■ 全20話
■ 制作 SBS
イ・ジュンギ/パク・シフ/ハン・ヒョジュ/イ・ヨンア
義賊はやっぱりカッコイイ!
管理人 木槿猫