李氏朝鮮

秘密の扉

こんな作品です

荘献(チャンホン)世子事件を描いた作品

管理人 木槿猫

朝鮮王朝史のなかでも、よくわからない事件の一つに、英祖(ヨンジョ)が息子の荘献世子を米びつに閉じ込めて衰弱死させたという事件があります。英祖は、歴代王のなかでも最も長い在位を誇り、名君といえなくもない王です。それなのに、なぜ実の息子をこんな形で殺してしまったのか。その謎に迫ろうとするドラマです。

後に英祖は、このことを後悔して「思悼世子(サドセジャ)」という諡号(しごう)をあたえ、その息子であった王孫「イ サン(のちの正祖)」を後継とします。「イ サン」のオープニングでもこのシーンは描かれていますし、なぜ英祖が荘献世子を殺すことになったのかという謎解きがされていましたが、正直よくわかりませんでした。「成均館スキャンダル」などでも物語の一つの軸となっています。

その謎を新たな視点から描いたのが、この作品です。話数が短いのですが、かなり重くて濃いので、長編を見たような気分になりました。普通なら、24話くらいすぐに見てしまうのですが、全部見終わるのに3か月くらいかかりました。私はこういうのは嫌いではありませんが、見ていてスッキリする時代劇ではありません。好みが分かれると思います。

太王四神記」で、子役を務めていたパク ウンビンさんが、世子嬪(セジャビン)役を好演しています。気品があって知的な役がとても似合う素敵な女優さんになってます。

史実のポイント

「イ サン」を続けて見たら面白いかも

内容の難易度

なぜ英祖が息子を殺したのかというその理由を、父子の「愛と苦悩」におき、そこに党派争いを絡めて描いた作品なので、歴史を知るうえでも面白いなと思いました。苦悩する王様役がお似合いのハン・ソッキュさんの名演も見どころ。

さらに、伝統と秩序を重んじる老獪な老論派の重臣たちと、厳格な身分制度に抵抗し改革を夢見る若者たちという人類の普遍的なテーマが絡んでいて、見ごたえがあります。そうした老人と若者の葛藤も描かれているので、世代や立場によって感想が違うんじゃないかなと思いました。

「イ サン」をまだ見たことがないという人は、この作品のあとに見ることをおススメします。「イ サン」は、革新的な政治を行った名君として人気があるのちの正祖です。彼の生き方の原点は、祖父に殺された父にあったといわれていますし、周囲を取り巻く人間模様も、この「秘密の扉」を見ていると理解しやすいですよ。

基本情報

■ 全24話

■ 制作 SBS

ハン・ソッキュ/イ・ジェフン/キム・ユジョン/パク・ウンビン

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