朝鮮半島の歴史入門

朝鮮半島の歴史を年表でざっくりと

韓国ドラマ時代劇を楽しむなら、そのドラマがどんな時代を描いているのかを理解しておくのがベストです。私たちが、NHK大河ドラマなどの時代劇を楽しむことができるのは、少なくとも学校で日本の歴史がどんな流れだったのかを勉強したからですよね。ですが、朝鮮半島の歴史は日本の学校ではほとんど学びません。歴史好きの人はともかく、いきなり韓国の時代劇を見てもイマイチよくわからないというのは当たり前。それでは、実にもったいない!ですよ。簡単にどんな時代だったのかを知っておくだけで、韓国ドラマ時代劇は何倍も面白くなってきます。各時代ごとに抑えておきたい時代背景についてわかりやすく解説します。

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それほど複雑ではない朝鮮半島の時代区分

超アバウトですが、朝鮮半島の歴史を年表にしてみました。日本や中国の時代区分に比べて、意外とシンプルです。試験の時には楽そうだな、と思ってしまいます。

朝鮮半島の歴史

李氏朝鮮までの歴史をざっくりと解説

三国時代から統一新羅まで

高句麗・百済・新羅については、だいたい紀元前50年前後くらいのころにそれぞれ建国されたようだとされていますが、はっきりとしたことはよくわかっていないようです。このころは、中国や日本もまだ混とんとしていた時代。ですから、周りの国々を見回してもお互いに詳しいことはあんまりわかっていない、ということで、ドラマでもわりと自由な描かれ方をしていますね。ある意味、突っ込みどころ満載。高句麗・百済・新羅を舞台にした韓国ドラマ時代劇は、ファンタジックな演出とか、考証なんかほとんど無視の衣装とか、史実云々を追わずに“なんでもアリ♪”な展開を楽しむのがいいと思います。

三国時代を描いたものはわりと多いんですが、「統一新羅」を描いた作品はあんまり見かけませんね。なんでかな。

高麗

高麗は、918年に王健(ワン ゴン)によって建国されました。9世紀の末ごろから、新羅は衰え各地に群雄が割拠する時代へと突入します。かつて新羅に滅ぼされた百済の復興を唱える勢力が「後百済」を建国し、それに対抗する勢力が北方を抑え、また三国に分裂する時代に陥ります(これを「後三国時代」という)。これを統一したのが、王健です。各地に豪族が割拠する状況だったため、これを政治的に統一するため、彼は豪族の女性29人と婚姻関係を結んだのだとか。

高麗は、新羅同様に仏教を保護しました。鎮護国家思想(仏の力で国を守ろうという考え方)のもと、寺院は歴代の王や貴族たちの庇護を受けて一大勢力にまで成長していきます。そのため、高麗の時代には様々な仏教文化が花開きます。

やがて13世紀に入ると、北方からモンゴルの侵入を受けるようになります。私たちが学校で習うあの「元寇(げんこう)」は、高麗が元に服属していた時代の出来事です。やがて14世紀に入ると、元そのものが衰退し、高麗も大きな動乱の時代を迎えることになります。

はてな

元寇とは:元の皇帝フビライは、日本に服属を求めてきましたが、鎌倉幕府の執権北条時宗はこれを拒否します。元は二度(1274年の文永の役・1281年の弘安の役)にわたって九州へ侵攻してきましたが、暴風雨などによって果たせなかったという事件。このとき徴兵され、命を落としたのは多くが高麗の人たちだったといわれています。また、この戦いのために多くの民衆が、軍役や労役に駆り出され、重い負担に苦しみました。

李氏朝鮮

年表にしてみるとよくわかるのですが、李氏朝鮮って長いですよね。1392年から、20世紀に入るまで続いたわけですから、およそ600年一つの王朝が続いたというわけです。太平の世が続いたといわれる江戸時代ですら約250年、比較的長い唐・明・清が300年弱、漢を400年と考えても、李氏朝鮮の長さは相当なものになります。もっとも、日本は有史以来天皇家が続いていますから、別な意味ではこちらのほうが長いぞ!なんても言えるわけですが。とにかく、李氏朝鮮は長い。ですから、この時代を描いたドラマは多くなるわけです。

この時代の文化的背景の重要ポイントに、仏教が否定され儒教がより一層重んじられるようになったことがあげられます。仏教の否定は、前王朝の高麗を否定することでもありました。また、中国では明が清によって滅ぼされたことにより、儒教が基盤である明の文化を正当に継承するのは朝鮮だという意識も生まれました。

李氏朝鮮は、1392年に李成桂(イ ソンゲ)によって建国されました。ここから27人の王様たちの時代が始まりますが、当然のことながら建国当初と、末期とではずいぶんと時代背景も異なります。詳しくは別の機会に譲るとしてここでは簡単にポイントを押さえておきましょう。

ポイント

建国当初は、骨肉の争いが起きたいわゆる「ドロドロ」の時代。王位をめぐって、血で血を争う事件や陰湿な事件がたびたび起こります。これが、だいたい16世紀ぐらいまで。王様でいうと太祖(李成桂)から明宗くらい。

ポイント

王位をめぐる争いは相変わらずあるけど、豊臣秀吉の朝鮮侵攻あり、後金(清)の侵攻ありで、それどころじゃないという17世紀の前半。宣祖から仁祖くらい。

ポイント

比較的落ち着いた平和な時間が流れた17世紀後半から18世紀。ドラマチックな事件も多く、映画やドラマにはよく描かれます。孝宗から正祖くらい。

ポイント

権力を握った一族が国政をほしいままにし、国王の権威が落ちていった時代。やがて列強の侵略を受けて李氏朝鮮の終焉へ。純祖から最後の王(大韓帝国皇帝)純宗まで。

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